肝臓がんの治療

治療には色々な選択肢があり、手術による肝切除やラジオ波療法、エタノール注入療法、血管カテーテルによる肝動脈塞栓術が主な選択肢となっています。これ以外にも、抗がん剤を使用した全身化学療法や放射線、痛み止めを用いることもあります。

それぞれに長所や短所があり、どの治療法を用いるかによって生存率にも影響します。肝臓がんの進行の状態や肝機能の低下の程度、全身状態といった様々な要因が絡んでくるものですので、状況にもっとも合ったものを選ぶ必要があります。

手術(肝切除)

治療効果は高いものの、肝機能の状態が良好であることが条件となります。したがって、この要件を満たしていない場合には、切除はできないことになり、どの程度の機能があるかを、事前に検査します。機能が低下している状態で手術を行うと、肝不全を引き起こすことがありますので、黄疸や腹水がある場合には慎重な判断が求められます。また、癌の数が3個以下であることが原則的に必要となります。

肝臓がんの手術は半月ほどの入院期間を伴うことが多く、合併症として出血や肝不全、胆汁漏といったものがありますので、こうしたリスクも治療法の選択にあたって考慮しておく必要があります。

最近では、腹腔鏡手術を行うこともあります。ただし、適用できる事例は少なく、限定されているのが実状です。

肝移植も行われていますが、提供者が十分に確保されておらず、広く用いられているとは言えない状態です。

ラジオ波治療

手術よりも体への負担が少ない肝臓がんの治療法です。体外から病巣に針を刺し、先端部分の電極から電磁波を出して高音を発生させます。その熱によって癌を焼くのがラジオ波療法です。

ラジオ波治療では病巣を狙って針を刺すことになりますが、一般的には超音波をガイドに用います。そのほかに、場合によってCTや腹腔鏡を使用するケースもあります。

適用されるケースとしては、肝臓がんの大きさが3センチ以下で、個数が3個以下であることが望ましいとされています。ラジオ波治療の場合にも、効果が期待できるケースは限られているのです。

血管カテーテルによる肝動脈塞栓術

癌は血管を通して酸素を取り込んでいますので、それをふさいでしまう治療法です。大腿動脈という太ももの血管にカテーテルを差し込んで、先端を肝動脈まで進め、中を詰まらせます。抗がん剤を先に注入することも多くあります。

副作用が軽めで、食欲不振や吐き気、腹痛などを伴うこともありますが、数日で収まることが通常です。また、血管カテーテルによる肝動脈塞栓術は1回の治療に伴って必要とされる入院期間が1週間ほどとなっています。

肝臓がんが大きくなっている場合や、多発して個数が多くないケースでも使えるのが肝動脈塞栓術の魅力です。手術のように肝機能が良好ではなくても使えるメリットもあります。

ただし、血管カテーテルによって栄養が届かないようにしても、それだけで完治することは少なく、一般的に反復治療が必要になります。つまり、一度行えば治るというものではないのです。

エタノール注入療法

病巣部分に無水エタノールを注射することによって、癌を死滅させる治療法です。位置を確認するのには、超音波を用います。腫瘍が3センチ以下で個数が3個以下の場合が対象とされています。

体への負担が少ない方法です。ただし、超音波で検出できない肝臓がんにはエタノール注入療法は行えませんし、腹水が溜まっている場合には、穿刺による出血が生じることがあります。

治療法の選択にあたって

副作用や合併症のリスクが少なく、根治性の高い夢のような治療法が存在するわけではありませんので、体の状態や症状の進行の程度も見ながら、最善の選択をすることが求められます。そのためには、まず専門医としっかり話し合うことが必要です。

それぞれの治療にはメリットもデメリットもあります。後悔しないためには、候補となる選択肢について正しく理解しておく必要があります。

主治医に相談するだけでは決断ができない場合や、担当医に不信感が残る場合にはセカンドオピニオンによって他の病院の医師の意見を聞いてみてもよいでしょう。人生に関わる問題ですので、多くの判断材料を求めることは間違っていません。最近では珍しいことではありませんので、セカンドオピニオンについても、希望するのであれば検討してみてください。

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