肝臓がんの生存率とは

症状の進行の程度や全身の状態、治療法の選択や専門医の能力など、様々な要因によって経過は変わってきますが、一定の目安が分かったほうが、患者さんや家族の方にとっても安心できるでしょう。そのために参考になるのが生存率です。

どのような意味を持っているかというと、ある一定の期間が経過した時に、どれだけの割合の方が生きているかを示しています。理論上は自由に期間を取ることができるわけですが、一般的には5年や3年、1年、10年といった時期で区切ることが多く見られます。

たとえば、肝臓がんの1年生存率といった場合には、1年後に何%の人が生きていたかを表しています。末期になり、余命が短い場合には、1年等の短期間を基準にします。10年のように長いスパンで測定しても、0%に近づいて参考にならないためです。

治療法ごとの5年生存率

手術によって肝切除を行った場合の肝臓がんの5年生存率はおよそ50%から60%、エタノール注入法やラジオ波療法といった穿刺療法は40%から50%、肝動脈塞栓術なら20%が目安となります。

ただし、症状の進行の程度によって治療後の経過が異なるのは当然のことで、初期に見つけて治療を開始した場合には、末期に近い状態で発見された場合に比べ、回復する可能性や、長期間生きられる確率は高くなります。

そのため、必ずしも手術がもっとも優れた治療法であることを生存率が示しているわけではなく、状況によって最適なものを選ぶことが、もっとも良い結果を期待できることになるでしょう。

症状の進行度ごとの5年生存率

症状の進行度はステージ(病期)で表します。詳しい説明は下記をご覧いただきたいのですが、簡単に言うと数字が小さいほどに初期であり、大きくなるほど進行していることを示します。

ステージごとの生存率を見ることによって、症状の進行と予後の関係を理解することができますので、以下に平均的な目安を示しておきます。

1期:55%
2期:45%
3期:25%
4期:10%

肝臓がんのステージ

日本肝癌研究会は原発性肝癌取扱い規約の中で、肝臓がんのステージについて分類しています。症状の進行度を示す重要な要素となりますので、基準を以下に示しておきます。

まず、癌の直径が2センチ以下であること、1個だけであること、血管の中に入りこむ侵襲がないことの3つの条件のうち、すべてに合致すればステージ1、2つの条件に該当すればステージ2、1つだけに当てはまればステージ3、まったく合致しなければステージ4となります。

たとえば、すでに肝臓がんの大きさが直径3センチに及んでおり、個数は1個だけであるものの血管侵襲が確認できる場合には、個数しか上記の項目に該当しないため、ステージ3となります。

ただし、リンパ節や他の臓器に転移がある場合には話が変わってきます。上記の項目にいくつ該当するかに関わらず、転移があれば、その時点で無条件にステージ4に分類されます。

生存率は目安に

肝臓がんがどのような経過をたどるかは、様々な要素に左右されます。患者さんの体力や生命力も関わってきますし、担当する医師の力量も影響します。食事や睡眠を含めた生活習慣も関わってくるでしょう。そのため、生存率を絶対視するのではなく、参考程度に考えておくとよいでしょう。

病院によっては、自らの治療成績を発表していることがありますが、その数字もある程度の差があります。単純に、件数が少ないために誤差が生まれてしまうという面もありますし、提供している医療の質の差もあります。こうした背景もあることを考え、ある程度の幅があることを把握しておくようにしてください。

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